ローランドの名前の話をもう少し続けたい。
TFF絡みの話でRaoul君というと、普通はローランドの長男のラウール-Raoul-君を指す(ちなみに次男の名はPascal君)。1985年にリリースされた5thアルバム"Raoul and the Kings of Spain"のタイトル自体、「ローランドの先祖であるスペインの王族からラウールに至るまでの血脈の物語」という意味がある。
もう少しTFFに詳しい方だと、こんなエピソードを覚えているかもしれない。
「実は僕が生まれたときに最初につけられた名前はRaoulだった」 ローランド自身があちこちのインタビューでこう話している。
「2週間ほどRaoulと呼ばれていたんだが、僕の母親がRolandの方がより英国風だと考えた為に今の名前に改名されたんだ」しかし、実は"Raoul"という名前は、このアルバムのリリース前からTFFにまとわりついている。3rdアルバム"The Seed of Love"には"Raoul's Fairlight"というクレジットが入っているし、ライヴビデオ"Going to California"にはラスト・クレジットのAUDIOの項にしっかり"Producer:RAOUL"という名前が確認できる。Raoul君誕生は1991年と推定されるので、このRaoulがどう考えてもローランドの息子でないことは確実である。 じゃあ、このRaoulは誰なのよ?
実は以下のページに明快な答えがある。 "
http://www.tearsforfearsfans.com/TFFarticles90-2.html にも
He explains the name: "Raoul is my nickname to my friends, and Curt didn't wanted my nick name on the album's cover". という彼自身の説明が載っているのである。
つまりRaoulとは、元来ローランド本人の愛称だったということでFinal Answer。しかし、実のところ、ローランドが周囲から「ラウール」(日本盤アルバム等では「ラウル」表記ですが、下のページに"Pronunciation: rah-ool"と書いてあるので、ラウールと伸ばした方が現地発音に近いのではないでしょうか)という優雅で甘ったるいような響きの(元来フランス人の名前ですから)名前で呼ばれていたのかと思うと、ちょっとくすぐったいような気分になる。
それから、Raoul君誕生後からは、ローランドはどういう愛称で呼ばれるようになったのかということも結構気になる。ついでに例の名前研究ページからRaoulの項を。英語圏では20世紀初頭にはほぼ廃れたが、フランスでは今尚人気の高い名前だということがわかる。
http://www.geocities.com/edgarbook/names/r/raoul.html